NARUSE'S:BLOG

ハイロイン/上癮:Addictedの原作小説を和訳している男子大学生でした

第153章:抱きしめてくれ

バイロインはジェダーチェンの屋敷に向かっていた。

中庭の隅にある小さな庭園を抜けると、林の中で鳥と虫の鳴き声が混ざりながら耳に響いてきた。そうして歩いているうちに、ついにバイロインはジェダーチェンの中国式の豪邸の前に大きくそびえ立つ正門の前へとたどり着いた。しかしそこでバイロインは二人の警備員に行く手を阻まれる。

「なんの用だ?」

「ジェダーチェンに会いに来たんだ」

警備員はバイロインのことを下から上まで全体をゆっくりと見てから、落ち着いた様子で尋ねる。

「身分証は?」

バイロインはそう言われて学生証と居民身分証(中国のマナンバーカードのようなもの)を取り出して渡す。一人の警備員はそれを持って中に入っていき、もう一人の警備員はまるで泥棒でも見るかのような視線でバイロインのことを刺してきて、全身に不快感が走る。

しばらく経った後、中に入っていった警備員が戻ってきた。そしてその警備員は黙って、ただ顎を使って”中に入れ”とバイロインに合図した。

ーーこんな簡単に入れるのか?

ソン警備兵が予め注意していたため、バイロインは門前払いを食らう覚悟で来ていた。まさかこんなにも簡単に中に入れてもらえるとは思っていなかった。

しかし、中に入った瞬間、バイロインは自分が大きな勘違いをしていたことを思い知らされることになった。

正門を抜けたところで、それは一歩だけ前進しただけだったのだ。

中に入った後、ここの庭の広大さに、人は驚きのあまり言葉を失うことだろう。

こんなにも国内で土地が不足している中で、個人がこれほどまでに広大な豪華な庭を持っているのは非常に勿体ないことだ。

庭の中央には魚が泳いでいる池がある。まだ雪も解けきらぬ頃の早朝で、水面には薄い氷が張られている。池の水は非常に澄んでおり、氷の下で魚たちが楽しそうに泳いでいるのが見える。

その池から少し離れたところに何本か古い木が植えられており、どの木にも鳥の巣籠が三、四つら下げられている。その巣籠の中からは鳥たちのさえずりが聞こえてくる。

しかもその中には話ができるオウムもいるみたいで、しきりにそこで「ニーハオ、ニーハオ」と喋っていた。

バイロインが一歩進むと、今度は大型犬の低い鳴き声が聞こえてきた。

それは荒々しく興奮して厳めしいオッターハウンド(超大型犬)という種類の非常に珍しい種類の犬だった。

バイロインはこの犬を見た瞬間、喜びを抑えることができず、自分がここに来た本来の目的を忘れて、犬のところにじゃれつきに行く。

最初、このオッターハウンドは荒々しく狂暴にバイロインに向かっていった。その様子はまるでバイロインに『近寄るな、触るな』と警告するようだった。普通の人ならこの時点で畏縮するところだが、バイロインはそんな手が通用するような男ではなかった。

二分過ぎた頃にはこの犬とバイロインは完全に打ち解けていた。

「大した腕前だな!」

声を聞いたバイロインは身体を強張らせる。楽しさのあまり、後ろに立っている人の存在に全く気付かなかった。

バイロインは急いで立ち上がり振り向く。するとそこには、ごく平凡な顔の男が立っていた。こういう人は街中どこにでもいるようなタイプだ。会う場所がここでなければバイロインはこの男を軍部の高官とは思いもしないだろう。

「私の飼っている犬は飼い主のことしか覚えていないんだ。赤の他人で近づくことが出来たのは君が初めてだな」

バイロインは険しい顔をしている。

「あなたがジェンさんですか?」

ジェダーチェンが頷く。

「いかにも」

バイロインはこの人は変人だと聞いていたため、びっくりしていた。

ーーどこも変なところなんてないじゃないか!

「ジェンさん、あなたにお願いしたいことがあります」

ジェダーチェンはあっけなく笑う。

「分かっている」

ジェダーチェンはそう言ってからバイロインにお願いを聞くか否かの答えを告げないまま、木にぶら下がっている巣箱で鳥と戯れ始めた。

バイロインはこの場は話をすべきではないと感じたため、ジェダーチェンが用事を全て済ませるのを待ってから、その後にもっと丁寧に尋ねることにした。

ジェダーチェンは鳥と戯れた後、バイロインに目をやることもせず、気ままに反対方向にある屋敷の正面玄関に向かって歩き始めた。

バイロインは黙って彼のあとをついていく。

正面玄関に到着し、ジェダーチェンが屋敷の中に入っていく。しかしバイロインは入り口で警備員に止められてしまった。

「ジェンさんにお話したいことがあるんです」

入り口に立っている人はまるでゾンビのように無機質な顔をしている。

「承知しております。しかしジェンさんは今は用事があり、大変忙しくされています。ですのであなたとお話することはできません。外でお待ちください」

バイロインが窓から屋敷の中を覗くとジェダーチェンは特に何かをしているわけでもなく、ただ座って一人でお茶を飲んでいた。話すにはとてもいいタイミングだというのに、中に入れてもらえない。

その後バイロインは納得する。

ーージェダーチェンみたいな人に対しては、ちょっとでも勿体ぶるような態度を取ってはいけないのか?彼が外で待てと言うんだ。それなら待ってればいいか。

 

 

待ち続けているとお昼になっていた。

朝から食事をとっておらず、すでに空腹で先ほどからしきりにバイロインのお腹が鳴っている。

そしてバイロインはジェダーチェンに料理が運ばれてくるのを眺めている。中に入りたいのだが、まだ入れる見込みがないので、とりあえず昼食をとってから出直そうと考える。

屋敷の入り口の正門に着くと、またあの二人の警備員に止められた。

「外に出たいんだ」

「出るにしてもジェンさんからの書面が必要だ」

バイロインは仕方なく、もと来た道を戻って正面玄関の前に着いた。そしてそこに立っている人に話しかける。

「お手数をおかけしますが、中に一言取り次いでもらえますか?外で食事をしてきたいんです」

”ゾンビ顔”は無機質な表情で話す。

「あの方がお食事中の時は勝手に邪魔してはいけません」

バイロインはただ待つしかなかった。

 

そして待つこと一時間以上、やっとジェンの食べ残しを運び出す人を目にした。

「今、知らせてもらうことはできますか?」

ゾンビ顔は無言のまま中に入っていき、しばらくするとまたそっと戻ってきた。

「あのお方からのお言葉です。『出るのは構わないが、また戻ってこれることは期待しないほうがいい』とのことでした」

 バイロインはあっけに取られた様子でゾンビ顔のことを見る。全くもって冗談ではないようだ。

バイロインは拳を握り、心の中でそっと自分自身を鼓舞する。

ーーほんのしばらくお腹を空かせることくらい何も恐れる必要ないだろ?ジェンがバイロイン、お前のことを中に入れたからには、半分は承諾したのと一緒だ。あとの残りの半分のチャンスはお前自身で作るんだ。きっと我慢することにはなるが、お前の誠意をジェンに見せるんだ!

そう考えて、バイロインの心は落ち着きを取り戻していった。

ジェダーチェンが食事を終え、他の警備員たちもご飯を食べに行った。

残されたバイロインはただ一人、庭の中で立っていた。

ポケットの中にある携帯電話が鳴りだした。見てみるとグーハイからの電話だった。

『どこにいるんだ?』

バイロインは何も考えず出まかせを言う。

「実家にいるよ」

『昼飯は何食った?』

バイロインは考える。

「餃子を食べたんだ」

『ちくしょう、マジで超幸せじゃねぇか!俺はフーズーと食いに行ったんだよ、注文する時見た目は美味そうだったんだけどよ、頼んだらクソマズい物ばっか来やがってさ…』

ーーそれで満足しろよ……

バイロインは心の中でボソッと呟いた。

グーハイは質問する。

『夜は帰ってくるのか?帰ってきたらラーメンを作ってやるぞ』

今、グーハイが作ったラーメンを思い出すと、ふと美味しかったなと思い始めてきた。

「分からないな。もし帰る時は前もって電話するからさ、飯は先に食っててくれ」

『あぁ、わかった』

電話を切った後、バイロインはため息をついた。頭の向きを変えて、屋敷の中を見てみると、なんてことだろうか、ジェダーチェンの姿が見えない。

バイロインに緊張が走る。少し場所を移動して首を伸ばして屋敷の中を窓から覗くも未だにジェンの姿が見当たらない。

「ジェンさんはどこに?」

バイロインはゾンビ顔に尋ねる。

「ジェンさんは外出されました」

「いつ出かけたんですか?」

バイロインは驚いている。

「先ほどあなたが電話していた時です」

バイロインは酷く後悔していた。慌ててゾンビ顔にジェダーチェンがどこに行ったのか尋ねるも、彼は顔をそっぽに向けて目を閉じて一言も発さなかった。

バイロインは仕方なく自分で屋敷の中を外から探し回った。そしてついに一番西側にある部屋で上を脱いで昼寝の準備をしているジェダーチェンを見つけた。

聞くまでもなく、バイロインは中に入ることができないのは分かりきっている。

真昼の太陽は日差しが非常に強く、日に当たっているうちに眠くなってしまい、バイロインはあくびをする。そして背伸びしながらつまらなそうに屋敷の中で立っている人たちを眺める。

ゾンビ顔を除いて、全ての部屋の入り口に見張りの警備員が配置されている。そんな様子にバイロインは思わず考えてしまう。

ーーこのジェダーチェンっていう男はどれだけ多くの人から恨みを買っているんだ?まさかこんなに大量の人に見張りをさせてるなんてな…

そして、ここにいる全ての警備員は皆よく訓練されているゾンビたちなのだとバイロインは気づいた。なぜならば、誰一人としてピクリとも動かないのだ。さっきまでは皆、目を開けていたのだが、今は全員目を閉じている。中庭は妙な静けさに覆われており、今聞こえるのは鳥の鳴き声だけだ。

それからしばらくすると、微かにいびきが聞こえてきた。

バイロインは耳を澄ませる。どうやら部屋の中から聞こえているわけではなさそうだ。ここの屋敷の部屋は防音性が高くて、そもそも部屋の中からいびき程度では一切音は聞こえてこないはずだ。

それなのにバイロインはいびきを耳にした。

バイロインはふと横に目をやる。隣に立っているゾンビは目を閉じており、鼻息に合わせて胸が動いている。

ーーちくしょう!

 バイロインは仰天する。

ーーここの連中、立ったまま眠れるのか?

事実、それは証明される。

バイロインの考えは正解で、外で目を閉じながら立っている人は皆寝ていた。

バイロインは急にソン警備兵から受けた警告を思い出して身震いした。どうやらここは本当に不吉な場所のようだ。

そしてバイロインはそのまま二時間ずっと、居眠りすることなく立ち続けていた。一度の居眠りでジェダーチェンがまたどこかに行ってしまわないか不安だった。

そしてバイロインはジェダーチェンが起きるまでずっと待っていた。

彼が目を覚ましたのを見て、バイロインは一気に眠気が吹き飛び、元気になる。

バイロインはまっすぐ立って、ジェダーチェンの行動を注視する。服を着て、ベッドから降りて、部屋の中を歩いて、座って水を飲んで、電話に出て……そして、ゆったりとした足取りで部屋の外に出ていく。

やっと辛抱が報われる時がきたのだ。バイロインは急いで屋敷の入り口に向かう。

バイロインの目にジェンさんの姿が映る。ジェンさんは顔に笑みを浮かべている。

バイロインはチャンスだと思い、一歩前に踏み出した。

「ジェンさ……」

「ハハハッ……リさん、やっと来ましたか!」

突然の熱意のこもった挨拶と後ろから聞こえてきた笑い声に気づいて、夢を見ていたバイロインは振り向く。ジェダーチェンはもう一人の男とハグしている。そして二人は談笑しながらバイロインの横を通り過ぎて部屋の中に入っていく。

バイロインは長い間立ち尽くした後、ようやく歩き出す。二人が入っていった部屋の前でひたすら静かに待ち続ける。

二人の男は中でシンチー(象棋:中国版将棋)をしているようだ。どうやらまだ一局目が始まったばかりのようだった。

「ここに立っているとあの方の邪魔になりますので、そちらでお待ちください」

 もう一人のゾンビ顔の警備員がバイロインに向かって手を伸ばす。表向きは礼節のようだが、実際には追い払うためだ。

あの”(夫人の死の)謎の答え”を知るためにバイロインは受けた屈辱をまた我慢する。少し離れたところに立って待つことにする。

空が次第に暗くなり、瞬く間に時間は夕食どきになっていた。

ジェダーチェンとシンチー仲間は部屋で共に夕食を楽しんでいるおり、美味しそうな香りが窓をすり抜けてバイロインのところまで漂ってきた。

思わず唾を飲み込む。バイロインにはもう逃げ道がないのだ。今、ここから出ていけばこれまでの努力が全て水の泡になる。

バイロインは携帯電話を取り出す。”今日は帰らない”とグーハイにメールを送って引き続き空腹を我慢し続ける。

 今回のジェンの食事は二時間続いた。バイロインは空腹を通り越して何も感じなくなっていた。

今はただ、ジェダーチェンに早く出てきてほしいという思いだけだった。たった五分。それだけでいい。五分、会話するために時間をもらえればバイロインにとっては充分だ。

ついにシンチー仲間が帰る頃になり、ジェダーチェンは玄関まで見送りに来ている。バイロインは黙ってあとをついていくが、両足が痺れているせいで歩く時に変な動きになってしまう。しかしバイロインの目の中には未だに小さな興奮が見て取れる。

今日がもうすぐ終わろうとしている。

ーーこのくらいの時間になれば、さすがにもう用事は何もないだろ?

ジェダーチェンが引き返してくるのを見て、バイロインは急ぎ足で迎える。

「ジェンさん、僕たち……」

「まだ帰ってなかったのか?」

ジェダーチェンはまだバイロインがいたことに驚いていた。

バイロインはとても落ち着いた様子で彼に答える。

「ずっとあなたを待っていました」

ジェダーチェンは頷いて、再び何かを喋ることはせず、真っ直ぐ寝室に向かった。バイロインはついていくも、やはり入り口で止められてしまう。

ジェダーチェンは部屋の中でテレビを見始める。

そして時間が経ち、彼の奥さんが帰宅してからは二人で一緒にテレビを見始める。

それから部屋の灯りが消えた。

バイロインは身体だけではなく、心さえも冷えてきた。

外の警備員たちはもうすでに交代していて、この時間帯の警備員たちはより勇猛に見える。うす暗い照明が彼らの顔を照らし、一層不気味に見える。

この調子だとここで一晩中しゃがみ込んで過ごすことになりそうだ。バイロインはタバコに火をつけて、つまらなそうにこの広い中庭を眺めている。そして今やっと気づいたのだが、ここはどうやら人の家ではなさそうだ。まるで禅院(禅宗の寺院)のようであった。

ーーまさかあのジェダーチェンが仏に身を捧げていたのか?

バイロインはこんなことを考えて自分で可笑しくなる。

ーー仏を信じる人間にこんな残忍な心があるかよ?

バイロインが一人で楽しく考え事をしていると、突然頭上から『冷たさ』を感じた。何かと思い、バイロインが顔を上げるとそこには大きなバケツを持った一人の男が立っていた。ダウンジャケットとカシミヤのズボンはびっしょりと濡れて、首から水がまるで氷の刃のように伝っていき、バイロインの皮膚の下にある肋骨に突き刺さっているかのようだった。

まだ春になったばかりで夜はすごく冷えるのだ。バイロインが濡れた寒さに耐えきれず勢いよく飛び上がる。”加害者”の襟を掴み、薄い唇を震わせながら質問する。

「なんでこんな冷たい水をぶっかけてくるんだよ?」

加害者は無表情でバイロインを見ている。

「ここは禁煙です。ですので私はタバコの火を消すお手伝いをしただけです」

バイロインは寒さに震えて歯をカチカチと鳴らしている。振り上げた拳には氷のかけらが出来てきた。

加害者が再び口を開く。

「ここで騒いではいけません。もし喧嘩がしたいなら、あなたを外に連れて行ってもいいんですよ」

バイロインの身体は石のように硬直している。

夜も深くなってくると、バイロインの服には氷が張っていた。髪の毛には氷のキャンディーができており、重さで髪の毛から、ぶら下がっている。

自分の脚が痺れたような感じで、全く感覚が無い。もし今切断するとしたら麻酔なんて必要ないくらいだ。

バイロインは自分の身体を温めるために庭の中で走り始めたのだが、それに対して犬が吠えてきた。その音を聞いたゾンビ顔の警備員がバイロインのもとへ来る。

「ここで騒いではいけません」

バイロインは寒さと飢えの感覚を限界まで感じていたのだが、これについてはまだ我慢ができた。

人が一番耐えられないのは、”見えない希望”を何もせずにただ待ち続けることだ。 

バイロインはジェダーチェンの寝室から一番遠い壁の隅まで歩いて行き、そこでグーハイに電話をかける。

真夜中に聞こえてきたグーハイの声に、バイロインは強い温もりを感じる。

『こんなに遅くまで、まだ起きてたのか?』

バイロインの手は酷く震えている。

「ちょっと寒くてさ。話そうよ」

グーハイの口調からは胸を痛ませているような雰囲気が感じられる。

『お前バカなのか?寒いならもう一枚布団をかけろよ!俺と話をしたら温かくなるのか?タンスのところに行って布団を取ってくるんだ。ほら、急げ、怠けるな!』

バイロインは辛いながらも耐えて苦笑いする。

「行かないよ。俺はお前と話していたいんだ」

グーハイはしばらく沈黙した後、語気が幾らか柔らかくなった。

『俺に会いたくなったのか?なぁ、俺の可愛いベイビー?』

 ずっと冷たい風が吹きすさぶ中、バイロインは首を縮こめている。しかし依然として凍え、息が苦しい。この寒さは骨の隙間まで直接潜り込み、わずかに残っているバイロインの決心を蝕んでいく。視界がぼやけていく感じがする。心の中で警鐘が絶え間なく鳴り響いている。

ーー絶対に気絶したらダメだ…もし俺が倒れたらあいつらは俺を外に投げ出すはずだ…出てしまったらもう戻ってこれないんだ…

『どうして何も話さないんだよ?』

バイロインは歯を食いしばってしばらく耐えていたが、携帯の向こうから聞こえるグーハイの呼吸の音を聞いて、やっと心が暖かくなった。

「ダーハイ…抱きしめてくれ…」 

 『……インズ、いい子だ。俺が抱きしめてやるから、早く寝るんだぞ』

 

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※オッターハウンド(奥达猎犬)について

この犬種は雄で50kg、体高70cmまで成長する大型犬の中でもさらに大きい「超大型犬」に分類されます。

オッター(英語:カワウソ、ラッコを意味する、ここではカワウソを指す)

ハウンド(英語:猟犬)

という名前の通り、カワウソを狩猟する猟犬として品種改良された犬種です。しかし、カワウソが乱獲や川の汚染の影響で激減した影響で、1979年保護動物指定されました。その後は、アライグマ、クマ、ミンク猟の猟犬、またショーに出る犬種として飼育されているそうです。

そして、この犬種。2016年時点では世界で800頭(内400頭はイギリス国内)しかいない非常に希少な犬種です。

 

※ゾンビ顔(僵尸脸ジャンシーリエン)について

僵尸(ジャンシー)は直訳するとゾンビという意味なのですが、僵尸にはキョンシーという意味もあります。

キョンシー:中国民間伝説での死体の鬼。理性を失い、人間性がなく、両手を前に伸ばして人を噛み吸血する。吸血された人は変身する前に治療をしないと元には戻らずキョンシーになってしまう、というもの)

日本人感覚からするとキョンシーとゾンビは分けて考えてしまうかと思いますが、かなり共通点が多く、中国からすると、バイオハザードみたいなのは西洋版キョンシーみたいな感じなのかなと思います。

僵尸脸(ジャンシーリエン)だとゾンビ顔としての意味になり、イメージとしてはハロウィンメイクのような感じでしょうか。原作者の描写では『無機質で生気のない顔』という表現かと思います。気になる方は「僵尸脸」でグーグル画像検索してみてください。

 

※シンチー(象棋)について

中国では正式なスポーツ種目になっており、世界の競技人口はなんと5億人です。(チェス:3億人、将棋:1500万人。中国は人口が約14億人いるので殆どは中国人かなと思います)

 

 ※『ーーまさかあのジェダーチェンが仏に身を捧げていたのか?』の補足

ここは中国語の成語(チェンユー:ことわざ):吃斋念佛(チージャイニエンフー)

肉食を絶って「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えること。恐らく「出家する」と同義の言葉が使われています。

 直訳すると、『あのジェダーチェンが肉食を絶って念仏を唱えているのか?』になります。ただ、説明口調半端ねえと思ったので本文のように意訳しました。

 

この章補足が多すぎるんよ…

しかし、まさかバイロインの猛犬を手懐ける能力が伏線になっていたなんて…

グーハイも猛犬(狂犬)みたいなものですが、そういうことなんですかね、そういうことですよね、分かりました

犬グーハイとそれを手懐けるバイロイン見たいので誰か書いて(描いて)ください

 

:hikaru