NARUSE'S:BLOG

ハイロイン/上癮:Addictedの原作小説を和訳している男子大学生でした

2022-01-01から1年間の記事一覧

第79章:束の間の再会

最近、就寝前の習慣になってることがある。 「今日はどうだ...」 回線を繋いで、グーハイが経営する会社のホームページを検索するバイロイン。 グーハイと会うことが出来ない日々の気晴らしか、毎晩会社が運営するホームページを開いては動向を気にかけてい…

第78章:ただ愛しているだけ

酔いも回り、二人の会話はより砕けたものへと変わっていく。 「電話で出なかっただけで怒ってるぅ!??」 呂律が上手く回らないトンの投げかけに、緩みきった瞳で肯定する。 「ああ、そうだよ。...しかも、その後謝りにわざわざいったんだ。なのに、あいつ…

第77章:仕事狂

バイロインに会えず帰宅してからというもの、グーハイは全てを忘れるように仕事に没入し、狂った生活を送っていた。 社員も彼の溢れるエネルギーに置いていかれないよう必死になっていたが、グーハイの仕事量はその誰よりも上回っている。それは、数多の書類…

第76章:愛されるということ

グーハイは応接室でずっと待っていたが、返事はいつも同じもので、最後まで彼に会えることはなかった。 「...くそ」 無機質な時計の針が、ゆっくりと音を立てて聞こえてくる。 自分がどれだけ深い傷を負わせてたかを理解するには、十分すぎるほどの時間だっ…

第75章:グーハイの苦悩

執務室のドアノブに手をかけて、トンは心配そうに振り返る。 「...今日もここに居るのですか?」 「ああ」 トンの言葉が本当に耳に入っているのか、どこか生半可な声で返事をする。 「はぁ、もう一週間もこの調子ですね...」 そう言って部屋から出ていくトン…

第74章:変わってしまったのは

部隊が閉鎖訓練基地に到着したのは、夜も深くなった頃。移動する車内では、多くの人が夢の世界に誘われていた。 バイロインは運転席のすぐ後ろに座っていたが、所定の場所に到着するや否や、後ろの席で船を漕いでいた部下に張った声で呼びかける。 「起きろ…