2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧
暫くバイロインの顔を見つめた後、胸ポケットから取り出した例の眼鏡を顔の前にチラつかせる。 「バイロイン。...お前は俺の心を酷く傷つけてしまった」 「あなたにも心があるんですね」 「どうして心が無いと思うんだ?」 グーヤンはバイロインの頬に爪をた…
バイハンチーが部屋から出ていった後、グーハイはバイロインの布団の中に潜り込み、手でバイロインの足を包む。バイロインは最初、必死にグーハイの手を振り払おうとしていたが、段々と足の裏が温まってきて、身体全体が気持ち良くなり、無抵抗のバイロイン…
グーハイはそのままジェンダーチェンの家に直行した。 グーハイは伯父に対してなんの感情も抱いておらず、彼が生まれてから現在に至るまで、ジェンダーチェンと会った回数も二、三回程度だった。 グーハイのお母さんがチェンの話をしていなければ、そもそも…
バイロインと連絡が取れなくなった後、グーハイはまずバイハンチーに連絡をした。すると、二日間バイロインが実家に帰っていないことが分かった。 グーハイは様々な方法でバイロインのことを探した。しかしバイロインからの連絡は一切なく、バイロインと連絡…
バイロインはこのまま我慢を続け、最後はいつの間にか寝ており、目を覚ますとすでに夜が明けていた。オッターハウンドが少し離れたケージの中でバイロインのことをじっと見つめている。 バイロインは目を除いて、身体のパーツをどこも動かすことができなかっ…
バイロインはジェンダーチェンの屋敷に向かっていた。 中庭の隅にある小さな庭園を抜けると、林の中で鳥と虫の鳴き声が混ざりながら耳に響いてきた。そうして歩いているうちに、ついにバイロインはジェンダーチェンの中国式の豪邸の前に大きくそびえ立つ正門…
ソン警備兵がバイロインを見てまず最初に口にした言葉。 「最近はそんなに暇なのですか」 バイロインはカバンからネックレスを取り出してソン警備兵に見せた。 ソン警備兵はあっけにとられながらバイロインに尋ねる。 「これは一体どういう意味ですか?」 グ…
「私とグさん(グーウェイティン)が知り合ったのは四年前よ。その時は私の人生の中でも一番辛かった時期でね、全国各地を巡っていたの。どこに行きたいのかも分からない、何をしたいのかも分からない状態で。そして私はアモイ(厦門:中国の都市)で五つ星…
夕食の時間になろうとしていた時、勢いよく玄関のドアが開かれる。 グーハイは片眉を上げてうるさく開いたドアの方を横目で見る。そこには、眉が凛々しく整った青年がリビングの入り口に立っていた。 「ああ、おかえり。早くこっちに来なさいトンテン」 バイ…
バイロインの実家へと向かう車内、後部座席にでかい態度で座るバイロインの方を向く為に後ろへと忙しく何度も首を捻る。 「なぁ....なに買っていったらいいんだ?」 「買うぅ〜....?」バイロインは目線を斜にして思慮する「何も必要ないだろ」 「それは駄目…
バイロインはうつ伏せの状態で宿題をやっている。グーハイは、既に宿題を終わらせており、バイロインにちょっかいを出し始める。 バイロインは、今日一日全く気持ちを落ち着けることができず、今だって本来なら全く時間のかからないような簡単な数学の問題で…
ソン警備兵はバイロインがまさか自分を誘ってくれるとは思ってもみなかった。彼は一度しか会っていないこの青年に対してずっと興味を抱いていた。ソン警備兵自身、ユエンと会うことは少なく、彼女については聡明な女性だと知っていたのだが、バイロインに関…
帰路の途中、グーハイがバイロインに質問する。 「飯、何食いたい?」 バイロインは長く考え込むも思いつかず、ただ答える。 「任せる!」 「じゃあラーメンはどうだ?」 バイロインは困った表情をして、眉間を十字に結んでいる。 「別の物には出来ないか?…
重ねて確かめ合ったベッドの上、隣で疲れ果てたバイロインが寝ている間にグーハイはユエンに電話をかけていた。 『もしもし?シャオハイ?』 普段は掛かってくるはずのない息子からの電話に、電話越しでも緊張の様子が伝わってきた。 グーハイは喉を鳴らして…