2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧
よく晴れた昼下がり、バイロインは職場で新型戦闘機の整備に精を出していた。 途中で休憩を取ってグーハイの元へ行く暇もなく、初めは高くにあった太陽も今では地平線の彼方へと消えていた。 「ふぅ...研究室に戻ったら進捗を纏めて....後は資料の整理か」 …
休暇が終わる前日にグーハイと宿舎へと戻ることにしたバイロイン。 前回グーハイがここに訪れた時とはうって変わり、今では正式にバイロインの夫だと胸を張れるので、バイロインに挨拶をする兵士全員に大きい態度で威圧する。 いつでもこの場所に来れるわけ…
激しい夜が明け、朝早くからグーハイは出社する必要があった。 お昼に一度家に帰ってきた時、バイロインはまだ寝ていたので朝 出発する前に作った食事を仕方なく捨てる。 今度は昼ご飯を作ったのだが、あまりにも気持ちよく寝ているバイロインを起こすことが…
グーハイはバイロインを自分の元へと引き寄せ、向かい合わせるようにして太腿の上に座らせた。言葉も無しにその口を優しく塞ぐ。 一度離れては再び優しく、次は狂おしいほどに激しく。全ての愛をぶつけるように何度もその口を塞ぐ。 バイロインは呼吸を整え…
流れるまま二人家の中に入っていき、足で玄関の扉を閉める。 壁に押し付けられたバイロイン。コンクリートの壁がひんやりと背中に伝わってくるが、自分の胸はそれを上回るほど熱くなっている。 シャツの中に手が入り、鍛え上げられた肉体を愛撫する。 突然、…
エレベーターから降りてきたグーハイは、ゆらゆらと女性たちが熱い視線を向ける一人の男の元へと歩を進める。 会社の入り口で黄色い悲鳴をあげていた女たちは、後ろから静かに現れた社長の姿を見ると一瞬にして真顔になり各々オフィスの中へと散っていった。…
玄関でのやり取りの後、ご想像の通りそのままいつもの喧嘩へと発展する二人。 今までならグーハイの圧勝だったのだが、今回は混戦の末にバイロインに軍配が上がった。 これはグーハイにとって人生で上位に入るほどの屈辱である。口で言い負かされた事は今ま…
書類を見つめるその眉間には深いシワが刻まれている。 真剣なその表情をする反面、心ここに在らずといった雰囲気だった。 ーーあいつとこれからどう接していったらいいんだよ。 一方でバイロインもどうしたらいいか分からないままでいた。 二人とも別れを切…
霊園にてバイロインと別れた後、そのまま実家へと帰る事にした。 玄関の扉を開けるとウェイティンはソファーで寛いでおり、ユエンは台所で食事の準備を行っていた。 扉の音に気づいて玄関の方を見ると、そこには全身が泥で汚れ少し痩けた顔になっていたグー…
あれから丸三日、二人はこの場所でまだ助けを待っていた。 ある時、恐らく捜索用だと思われるヘリが二機自分たちの上空を旋回してどこかに去っていく様子を見てバイロインは決断する。 「リュックの中の食料はもうなくなってしまったし、ここで野垂れ死ぬよ…
夜がまた訪れる。 バイロインはグーハイの方を向いてこの後のことを相談する 「どうするんだ?夜が明けてもここで救助を待つのか?それとも、自力で戻るか?」 「自力ぃ?」 ふんッと鼻で笑いながら欠伸をする。瞼が閉じそうな雰囲気だった。 「どうやってこ…
バイロインは食事の最中にふと思い出す。 「嫁さんもこんな所に来てるのか!?」 ーー嫁さん?あいつは一体誰のことを言ってるんだ? 「誰の嫁だよ!?」 「は?お前、結婚したんじゃないのか?」 「結婚?」 ーーなるほど。あの野郎は俺が結婚したんだと思…
「おかしいな」 そこは見渡す限り荒野で、コケがまるでカーペットのように生い茂っていた。 今いるところは少し丘になっている所で、周囲は低く沼地になっていた。 つまり、緊急離脱の際に着地地点を誤ったのではなく、運よく沼地に嵌らず少し丘になっている…
わが国の領空に侵入したのは国籍不明の偵察機だった。 バイロインが操縦する戦闘機が発進した後、管制官は速やかにこの偵察機をサーチし、座標確認を行ったが、偵察機は小型で赤外線放射信号が少なく、レーダーで探知したり追跡したりするのが難しかった。 …
グーハイがエンとの偽装婚約を手伝うことに決めた翌日、このことを父親に報告することにした。 グーウェイティンはそれを聞くと大変喜んだ。 息子が自分に断りもなく勝手に決めたことだったが、その事については一切怒ることはなく、むしろ嬉々としてその婚…