NARUSE'S:BLOG

ハイロイン/上癮:Addictedの原作小説を和訳している男子大学生でした

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

第40章:リュウチョウの惨劇

「何で来たんだ?」 このままこの二人と会話を続けさせていたら、喧嘩に発展してしまう。 それを恐れたバイロインは、何かを言いかけたリュウチョウの言葉を遮った。 「気になったからです....俺、あなたの事が心配で」 その想いに感謝はするが、今はグーハ…

第129章:向き合う時が来たのだ

それから三日間、グーハイは宣言通り一切食事をとっていない。もっと正確に言うと、部屋から離れてすらいない。バイロインが栄養剤の点滴をする時、グーハイも隣で栄養剤を点滴していた。医者は見かねて思わず文句をこぼす。 「君は一体どんだけ怠け者なんだ…

第128章:お前だけに辛い思いはさせない

しばらくしてから医者が駆けつけてきた。彼は海外に何年も留学したことのある外科医だった。医師としての経験が豊富だったが、バイロインのような状態の患者はさすがに見たことがなかった。濃い眉に皺を寄せ、血走ったような表情をしている。 バイロインの傷…

第127章:徹底的に思い知らせてやる

一月二日から五日まで、ユエンは親戚や友人を訪ねるために忙しくしており、バイロインの留学の件を後回しにしていた。 一月六日にやっと暇ができたので、帰国してきたばかりの元クラスメイトと一緒に食事をした。そのクラスメイトから海外で学習することの素…

第126章:裏で糸を引く者

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー この章を読むにあたって ※バイロインとバイハンチーの会話に出てくる人物 「モンジェンチー」について モンジェンチーはツォおばさんの元夫です。ドラマだと全カットされているんですが、時系列でいうと、ドラマ13…

第39章:溢れた言葉

『ーーあの晩、本当は何をされていたんだ?』 グーハイの真剣な眼差しに、思わず心が締め付けられる。 「...本当に知りたいのか?」 「早く言えよ!」 「話しても...怒らないでくれるか?」 正直、グーハイはバイロインの身に何があったのか、薄々気づいてい…

第125章:少しずつ愛が分かってきて

最近ずっとバイ家は正月の準備に追われ、全く休む暇がない状態が続いている。今まではバイハンチーにとって正月という行事は簡単に済ませても問題がなかったが、今は状況が違う。家族が二人も増えて、家は活気づいていた。 ツォおばさんは早めにお店を閉めて…

第124章:今までそこにあったもの

「なあ、ダーハイたちは冬休みなんだよな?」とリーシュオはチョウスーフーに尋ねた。(リーシュオとチョウスーフー(愛称:フーズ)はドラマにも出てきたグーハイの友達) 「ん?今日って何日だ?」 そう言ってリーは旧暦の日付を調べ、驚いて声をあげる。 …

第123章:どんな手を使ってでも

シーフイはぐっすり眠っている。しかし、それに対してバイロインはうとうとしながら少し寝ることはあっても、一晩中しっかりと寝ることができず、だんだんお腹が空いてきた。ご飯を食べに出かけた後、帰ってきたらシーフイを起こそうと考え、財布を持って部…

第38章:二人の時間

グーハイが病室に戻った時には、バイロインは本当に眠っていたので言いたい事も言えずにいた。 ーーたとえ大怪我が嘘でも...この姿は本当なんだよな グーハイは眠るバイロインの隣へ横になり、寝返りを打とうとする恋人が傷に触れないように何度も姿勢を正し…

第122章:「お前、一体どうやってここを見つけたんだ?」

シーフイに会った後、グーハイはバイロインに何度も電話をかけたが繋がらなかった。あんなことを聞いた後で居ても立っても居られず、すぐさまバイロインの実家に向かった。 バイハンチーは丁度仕事から帰ってきたばかりで、椅子に腰をかけようとしていた。グ…

第37章:駆けつけた後に...

深夜、グーハイはエンの部屋のドアをノックする。 エンは風呂から上がり、髪を乾かしている途中だった。 ドアをノックする音が聞こえ、思わず呆然とする。 ーーこんな遅くに何の用かしら? 不思議に思いながらも、もしかして。という淡い期待を抱いてしまう…

第121章:愛する人をかけた宣戦布告

グーハイが急いで家に帰ると、バイロインは荷物をまとめていた。 バイロインが無事であることを確認し、グーハイはひとまずホッとする。 バイロインが服や洗面用品などをカバンにしまっているのを見て、グーハイは焦る。 「なぁ、何してるんだ?」 バイロイ…

第36章:『死』という言葉

曇天のゴビ砂漠は至るところに死気が漂い、赤土の地は千里にも及ぶ。 激しい砂嵐が吹き終わると、青空から突如として轟音が降り注ぐ。 赤い尾を引いた鉄の塊が、バイロイン達が駐在する場所へと向かってくる。 その光景は....まさしく“戦争”の序章だった。 …

第120章:大変なことになった

土曜の午後、バイロインとシーフイは喫茶店にいた。 シーフイは薄化粧だった。顔立ちがとても綺麗なのでそれでも多くの男の目を引くほどだ。 「元気だったか?」 バイロインが先に口を開いた。 シーフイはスプーンでゆっくりとコーヒーをかき混ぜている。大…

第35章:身体的限界

見たところ、今日はそのままここで野営する様子だった。 リョウウンは自分達が必ず失敗して、不時着する確信を持っていたと疑うバイロイン。 ーー設備が整っている駐屯地に辿り着く前に妨害されたんだ。絶対そうに違いない。 まさにその読みの通りで、リョウ…

第119章:波乱の幕開け

シーフイとの食事を終え、二人は家に帰ってきた。 バイロインはシャワーを浴びに行き、グーハイはソファーに座り果物の皿に並べられたブドウの房をじっと見ている。 バイロインがシャワーから出て、グーハイを見ると、彼は先ほどと変わらぬ姿勢のままでいた…

第118章:敵の襲来

期末試験に備え、度重なる模擬試験や非常に多くの宿題に、生徒たちは頭を抱えていた。 教師たちはというと、裏で互いのクラスを競い合わせ、嬉々として授業時間を延ばしていたりしている。 授業が一コマ増えて夜は家に帰ったあとも自習をし、早朝から深夜ま…

第34章:痕の意味

グーハイは今回の出張にエンを選び、二人だけで出張先の深圳へと出向いていた。 二人が目的地に着いた頃には、綺麗な夕日が姿を隠すところで、辺りが暗くなろうとしていた。 出迎えが二人を拾いホテルへと案内する。用意されていた部屋は、目を惹くようなス…

第33章:罰

訓練場に着くと、あの不気味な顔がまた現れた。 リョウウンは手を後ろで組み、集まった兵士たちを見下ろしていた。 「お前たちには一日の休息を与えたんだ。そろそろ訓練を開始しようと思う!」 突然の言葉に驚きの表情を隠せない一同。一体、どこに一日休む…

第32章:正直な心

カップラーメンを食べいると、扉が開く音が聞こえた。 首を伸ばして入り口を見てみると、そこにはグーハイの姿が ーーまだ行ってなかったのか? 突然の来訪に喜び、急いで駆けつけようとしたが理性がそれを思い留める。 「あっぶない....そうだったな」 グー…

第31章:シュウ・リョウウン

「急げ!」 バイロインの怒号が夜空に響く。 招集をかけられ、宿舎から次々と部下たちが飛び出す。バイロインも最後に出てきた部下と共に集合場所へと走って行った。 新しく着任したリョウウンはすでに中央の席に着いていた。 シュウ・リョウウンは空軍部隊…