NARUSE'S:BLOG

ハイロイン/上癮:Addictedの原作小説を和訳している男子大学生でした

第127章:徹底的に思い知らせてやる

一月二日から五日まで、ユエンは親戚や友人を訪ねるために忙しくしており、バイロインの留学の件を後回しにしていた。

一月六日にやっと暇ができたので、帰国してきたばかりの元クラスメイトと一緒に食事をした。そのクラスメイトから海外で学習することの素晴らしさを聞き、彼女はさらに自分の信念を固める。

ユエンはバイロインを留学させたら、いずれは彼には海外で働いてもらって自分の老後には一緒に暮らしたいと考えている。ユエンはすべてに美しい幻想を抱いていて、それを実現させることは決して難しくないと信じている。何事も努力次第でどうにかなると考えているのだ。

最初、お金持ちと結婚するためにバイハンチーを捨てたと周囲から非難されたが、現在は周りもユエンのことを認めていると感じているのだ。

”運が悪い女性などいない。努力が足りないだけだ。”

ユエンはいつもこの言葉を自分に言い聞かせている。

 

 

軍用地にある別荘に着いた頃には外はすでに暗くなっていた。ユエンは大急ぎで夕飯を支度しテーブルに並べた。グーハイとグーウェイティンがテーブルに座ってすぐに、

「ちょっと用事があるので出かけてくるわね。あなたたちはゆっくり食べていて」

と言ってカバンを持って玄関に向かい靴を履く。

グーウェイティンは静かにユエンのほうを見て言う。

「…こんな夜中に一体どこに行くんだ?」

「ロインの留学の準備が終わったみたいだから様子を見に行きたいの」

「もう終わったのか?随分早すぎないか?」

グーウェイティンはあまりの進展の速さに驚いている。ユエンは笑う。

「そうかしら?でも私はもうこれ以上遅くなるのは嫌なの」

「そうだとしても行くのは明日にしたらどうだ?こんな遅くに行ったら迷惑じゃないか?」

「明日は私が別の用事あって行けないの。でも、安心してちょうだい。向こうには前もって伝えてあるから」

そう言い終えるとユエンはドアを少し開ける。グーウェイティンが一言こぼす。

「別にそんなこと…他の誰かに任せれば良いじゃないか」

「これに限っては私がやりたいの。心配だからね」

ユエンは笑いながら言って、二人に声をかけて嬉しそうに出て行った。

しかし、本当はバイハンチーにはまだ何も伝えていなかった。バイロインにも手紙すら来ていない。しかし当のユエンはそんなこと問題ではないと思っている。

グーハイはこの日は一日中、産みの親である母の部屋で座っていた。

 

 

バイハンチーは朝早く起きていた。そして、バイロインの部屋のドアを開けて声をかける。

「インズ、俺たちは今日ツォの実家に行ってくるよ。昼飯はもう作って食器棚に入れてあるから、お昼になったらそれを食べなさい」

そう言い終えるとバイハンチーはツォおばさんとトンテンを連れて出かけて行った。

もう日付は一月七日になっていた。バイロインが起きて携帯を取るとシーフイからメールが届いていた。バイロインはメールの内容を一切読まず返信する。

「今日は用事がある」

するとすぐに返事が来る。

『何時から?』

バイロインはメールが届いた時は洗面所にいて、メールには気づいておらず、今は鏡の前で歯を磨いている。バイロインが顔を鏡に向ける度に後方でハンガーに吊るされている制服のベストがバイロインの視界に入る。

 

晦日の夜、バイロインはグーハイはいないだろうと思い、二人の家に一度帰っていた。

別に何か用事があったわけではなかったが、ただ無性に行きたくなったのだ。半分はバイロインの家なので、別に家に行ったとしても何も不自然なことなどない。 

部屋の様子はほとんど変わりなかった。ただ一つ、タンスが開けられていたこと以外は。

床には汚れてシワシワになっている制服のベストが落ちていた。

バイロインはそれを見つけると家に持ち帰り綺麗に洗い直した。しかしまだ乾いておらず濡れている。

バイロインが顔を洗っていると、洗面所のドアが誰かに開けられた気がした。顔は洗顔料で泡まみれになっているので、目を開けることができない。急いで水を出し、顔を洗い流そうとしたが頭に強い衝撃が走る。そして洗面器に溜まった水の中に何者かがバイロインの頭を押さえつける。息ができず、苦しくなり咽る。なんとか抵抗しようとあがいたがバイロインは相手の顔を見る余裕すらなく目隠しを付けられ、手錠をかけられてしまった。

それはまるで最初にグーハイに誘拐されたときのようだった。

そのままバイロインは車に乗せられ、この身に覚えのある流れに犯人が誰であるか察した。

「おい…グーハイ!お前なんだろ?」

しかし、隣にいる人物は口を開かず、ただ運転をしている。

「おい、答えてくれよ!」

バイロインの語気が強くなる。もし本当にこの人物がグーハイであるのなら、わざわざこんなことをする必要がないと思っていた。今のバイロインはしっかりと落ち着いてグーハイと話し合うことができる。

「お前…グーハイなんだよな?そうなんだろ?」

「なぁ、グーハイ!答えてくれよ!」

何度も何度も同じことを車を降りるまで繰り返し聞いたが、一切返事が返ってくることはなかった。

グーハイは自分の名前を何度も叫ぶバイロインを見て、思わず返事をしたくなったがなんとかしてこらえていた。

 

バイロインはどこかの建物の中に無理矢理連れていかれる。この時、バイロインはこの人物がグーハイであると確信し、ふと心の奥に痛みを感じる。

連れてこられた部屋はとても暑く、汗が止まらない。

バイロインが立ち尽くしていると、急に着ている服を一枚ずつ剥ぎ取られた。無理矢理強い力で服を引きはがされ、引き裂かれたものもあった。汗をかくほど暑かったのだが、直接空気が肌に触れると少し肌寒く感じる。

そして、次にズボンを脱がされ、パンツを脱がされ…

ここでやっとバイロインが口を開く。

「なぁ、グーハイ!俺はお前がグーハイだって気づいているんだ!こんなことする必要なんか無いんだ!話を聞いてくれ!」

しかしグーハイはバイロインを無視して、自分のモノを弄っている。それは次第に大きく、太くなってきて今から行なわれることの準備が整う。

そして、バイロインの上半身を無理矢理ベッドに倒し、うつ伏せにさせて彼の腰を持ち上げる。

「グーハイ!話があるんだ!おい!聞いてくっ…」

グーハイはバイロインの口にタオルを詰め込んだ。そしてバイロインの顔につけられた目隠しを外す。バイロインはやっと視界が解放された。

後ろに手錠をかけられたまま、ローションもつけず、前戯もしないで、合図もされないままグーハイの大きく怒張した硬いモノがいきなりバイロインの中に押し入ってくる。

バイロインは入れられた瞬間、引き裂かれるような鈍痛がして全身が痙攣する。

ーー痛っ?!お前…絶対に…許さないぞ……

そしてグーハイは本能のままに腰を動かし続ける。腰を引くたびにバイロインの中から赤い液体が滴ってくる。

 

グーハイはここに来る前にバイロインの携帯を使ってシーフイにメールを送っていた。その内容はここの住所を添えて十分以内に来てほしいというものだった。 

グーハイが少し動作を緩める。しかしバイロインの中で暴れているモノは一切衰えていない。

”痛っ!痛い!”

タオル越しから悲痛の声が響く。バイロインは身体的な痛みとともに胸の奥も引き裂かれるように痛む。両足は震え、頭がクラクラする。

バイロインは子供のときから苦労してきて、何度もいろんな怪我をしてきたが、今の痛みはそんなものとは全く比にならないものだ。 

グーハイは肉体的に強烈な快感と心の中の鈍い痛みで気持ちがぐちゃぐちゃになっている。気持ち良さが体を支配していると、ふいに理性が彼を地獄に叩き落とす。しかしまたすぐに、快感が彼の思考を停止させる。

バイロインの背中には冷汗が浮かんでいる。彼がタオル越しに”痛い!”と言っているのをグーハイはぼんやりしながら聞いていた。

グーハイはそっとバイロインの額の汗を拭って、小さく囁く。

「なぁ、ベイビー…すぐに痛くなくなるからな」

そう言い終えると、一気に奥まで押し込む。そのとき、グーハイとバイロインの間には一ミリも隙間はなく、完全に繋がっていた。

バイロインは自分の腸が引き裂けるような激痛を感じた。

グーハイはどんどん腰を振る速度を上げて、腕かと思うほどに太いモノがバイロインの中の狭い道を乱暴にぶつかりながら進んでいく。

バイロインの視界は歪み、目が回っている。死んでしまうかと思うくらいの痛みで、全身の筋肉が強張り悲鳴を上げる。すべての感覚が徐々に薄くなっていく。あまりの痛みにもはや死んでしまったほうが楽だと思い始めた。

 

「えっ……」

その言葉の後に聞こえた悲鳴によってグーハイの動きは止まる。

入口に人が見える。そこにはシーフイがいた。シーフイはそこに来てから二分は立っていた。衝撃の光景に全身の震えが止まらない。

彼女は今まで多くの恐ろしい場面を見てきたが、今目の前で起きていることはそれらとは次元が異なっており、思わずパニックになる。彼女は確実に”トラウマ”を植え付けられた。精神的なダメージが強く、彼女の思考すべてが完全に破壊される。

シーフイはなんとか腰砕けになりながらもその場から離れようとしたが、二人の男に押さえつけられた。

「おい!その女を連れてこい!」とグーハイが叫んだ。

シーフイは泣き叫び、藻掻いていたが強制的に部屋に連れ戻された。グーハイは寒気がするような恐ろしい笑顔で話す。

「おい…ちゃんとよく見とけよ、美人さん」

シーフイは藻掻きながら泣き喚く。

「嫌!やめて…見たくっ…」

グーハイは再び腰を動かし始める。シーフイの愛する人を目の前で独占し続ける。

「ほら、見たか!?こいつは俺のものなんだよ!このグーハイだけのものなんだよ!」

この時すでにバイロインの口からはタオルが外されていたが、藻掻くことも叫ぶことなく、ただ耐え続けて黙っていた。

大きな粒の汗がバイロインの額から滴り落ちる。バイロインはゆっくりとシーフイから顔を背けた。

しかしグーハイはバイロインの顔を再びシーフイのほうへと向けさせる。その光景はシーフイにとって”悪夢”となり、今後思い出す度に苦しむことになるだろう。シーフイの顔からは血の気がなくなり、目の焦点は合っておらず、体がひっきりなしに痙攣し始める。

そして意識がなくなった後に建物の外に小道に捨てられた。長い時間が経過した後、通行人に発見されてようやく病院に運ばれた。

 

グーハイは狂ったかのように激しく腰を振り続けて、しばらくしてから突然引き抜いて、数回自分で刺激して達した。

バイロインはベッドでうつ伏せのまま全く動かない。そして少し時間が経った後、グーハイは口を開く。言葉からはさっきの覇気は一切なかった。

「分かっている…お前はこれから一生俺のことを恨むんだよな。でもな、これでよかったんだよ。俺はこうしなきゃいけなかったんだ…あの女の腐った考えを改めさせる必要があったんだ。俺にはお前があの女に毒される様子をみすみす見ているだけなんて出来るわけがないんだよ!お前がずっと後悔しないためにはこうするしかないだろ?」

そしてまた話す。

「俺たちがもう終わっているのは分かっている。あの女とじゃなければお前が誰と一緒になったとしても俺は何も言わない」

グーハイはゆっくりとバイロインの手錠を外す。バイロインが血を流しているのを見て、思わず目頭が熱くなる。

「バイロイン…今、お前のために泣いているんだ…俺はお前の前だとただのガキになっちまうんだよ。上手くは言えない。信用しているって言っておきながら俺はお前を監視させた。お前と縁を切ると言っておいて、こうしてお前を縛り上げて連れてきた…あぁ、そうだよ!俺は人でなしだ!でも俺はお前のこと本当に心の底から愛してるんだよ!」

バイロインは依然として動きもせず、静かなままだ。グーハイは手を震わせながらバイロインの髪をそっと撫でる。そしてかすれた声で、

「…さっきは痛かったか?」

と聞いた。

しかし、バイロインは目を開けたまま、瞬きをしていない。グーハイはそれを見て固まる。バイロインの体を揺すっても何も反応がない。バイロインの肩を掴んで何度も叫ぶ。

「ん…?インズ…おい、インズ!起きろ!目を覚ましてくれ!」

バイロインの頭は垂れ下がっている。グーハイが大声で怒鳴る。

「おい!お前ら!すぐに医者を呼んでこい!」

二人の男はその言葉に反応して急いで走っていった。

グーハイは急いでバイロインに布団をかける。心の痛みに耐えながら、強く抱きしめ続ける。

 

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ハイロインの女性キャラクターって結構難のある人多めですよね。

グーハイは父親を利用しているって分かっていたからユエンをあそこまで毛嫌いしていたんですかね、ドラマ7話18分くらいからのやりとりでそういった感情だったのかもしれないと思うと複雑ですね。

シーフイは自業自得だけど、バイロインは完全にとばっちりですね(._.)

拉致る流れになったからやっと解決するのかな?って思ったらまたまたすごい展開になってきました。

さすがにぶち犯すのはやりすぎですね…

”このグーハイだけのものなんだよ!”のところは「あ~わかる、それな」って思いながら真顔で作業してました。

 

:hikaru