第1章: 母が結婚するんだ!(ご報告あり)
【attention】翻訳者は中国語が全くできず、また中国の文化についての知識も全くないです。その為、翻訳者自身が読みやすいように翻訳されたおかしな文があるかもしれません。また、文化背景について深く理解しないまま翻訳されているところもあると思います。なるべく自然な日本語に翻訳しようとするあまり正確性が欠け、口語訳にしてしまいますが、ご了承ください。翻訳者は物書きでは無いので拙い文章になると思います。最後に、今からハイロインという作品に熱中される方々の手助けになれたらと思っています。この注意書きは今回のみとなりますので、一読よろしくお願いします。
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【登場人物の名称は申し訳ありませんが、片仮名表記で進めさせていただきます。】
「親父!!母さんが結婚するんだ!」
「そうか、結婚おめでとう。」
バッと、バイロインは汗だくになりながら目が覚めた。
額には大粒の汗が浮き出で、耳の後ろから首筋にかけて一筋の汗が流れる。
三伏の天気(日本でいう夏至、真夏日)はまだ過ぎておらず、毎朝、暑さで目が覚めてしまう。
手で汗を拭っても全く拭き取ることができず、汗は額からポタポタと垂れていくばかりで、朝からバイロインをイラつかせる。
バイロインは物憂いになりながら歯ブラシを持って外にある水道まで移動し、蛇口の下に頭を垂らし、ハンドルを回して水を出した。
蛇口から流れる冷たい水は首筋を流れ、暑さと共にバイロインの心を冷ました。
バイハンチー、つまりバイロインの父親は庭の掃除をしていた。
身長が185㎝もあるこの大男は、毎日家にこもって家事を行なっていた。バイロインはそんな父親を気に入らなかった。
歯を磨いた後に口をゆすいで下水に吐き出していると、水は溜まるばかりで一向に流れていかない。
「何かで塞がれてる?」
バイロインは棒を持ってきて、水の流れを止めているボロ布を拾い上げると溜まっていた水は勢いよく流れ始めた。
「親父。また俺のパンツを下水に落としただろ」
「何?」
バイハンチーは掃除をしている手を止め、洗濯物が干されているところへと駆けていく。干されている下着の数を数えてみると、一枚だけ息子の下着がなくなっていた。洗濯をするときに、誤って一枚だけ落としてしまったようだ。
「すまん。洗剤を流す時に一緒に下水に流してしまったみたいだ」
「もういい」
バイロインが汚れた下着を捨てに行こうとした時、バイロインが声をかけた。
「おい!まだ洗濯したら履けるんだから。捨てるなよ」
「なら親父が履けば?」
イラついたまま身支度を終え、学校に向かうために家から出ていくと丁度幼馴染のヤンモンと出会った。
ヤンモン、名前と人柄があまりにもミスマッチ(楊猛と書く)していた。何故なのかは彼の父親のせいかもしれない。彼の父親は若い頃、村一番の白い肌をしていた。残念ながら、この時代では男性がそのような見た目をしているのは風当りが悪く、彼の父親は遺伝子を改善しようと嫌々ながら自分と歳の離れた女性(おばさん)を妻に迎え、ヤンモンが生まれた。息子には、自分の希望を詰め込み意味もあって"猛る"という漢字を名前に入れた。
しかし、父の思いは叶わず遺伝子は父親の方を色濃く受け継いでいた。同年代の周りの子供が外で泥まみれになりながら遊んだり、木の上に登ったりしている時にヤンモンは家の中に閉じこもり、折り紙をしたり裁縫などをしていた。その為、父親はヤンモンのことを殴ることが少なくなかった(己と同じ道に進んで欲しくなかった為)が、父親はヤンモンを殴ったあと必ず自分も泣き出していた。自分の本性は変えられないのだろう。
「ヤンモン、お前髪の毛どうしたんだよ?」
バイロインが尋ねると、ヤンモンは自分の髪を撫でながら、下唇を軽く噛み眉を八の字に寄せ悲しそうな顔をした。
「お前の父さんが勝手に切ったのか?」
「あいつ以外に誰がいるのさ!!?」
涙目で怒るヤンモンを横目に笑いながら、「本当にお前らって親子だよなぁ」と呟いた。すると、ヤンモンが突然何かを思い出したように、バイロインの肩を叩く
「ねえ、なんで昨日は電話してきたの?途中で切れちゃったけど、何を言おうとしてたの?」
視線を足元に落とし、少し沈黙が流れた後に口を開いた
「...母さんが結婚するんだよ」
自転車を押して歩いていたヤンモンが突然止まり出す。
「お前、お母さんがいたの?!」
バイロインはため息をつく
「おい、俺の親父はミミズだとでも思っているのか?自分で受精して俺を生んだとでも思っているのか??」
バイロインが早口でおかしなことを真面目な顔をして言ってきたので、ヤンモンは耐え切れず腹を抱えて笑い出す。
「違うよ!僕をからかわないでよ!本気で聞いてるんだ。お前とはガキの頃からの付き合いだけど、お母さんなんて見たことも会ったこともないから」
「嘘つけ。去年母さんは一週間くらい家に帰ってきてたし。お前の家にも顔出しに行ってただろ?」
「あーん。思い出した!あの人なの?えー、なんで僕の姪っ子より若いんだ?」
「お前殴られたいのかよ」
「違うって、僕の姪っ子なんて生まれた時顔のシワが凄かったんだからね」
「赤ちゃんなんてみんな同じだろ」
冗談も通じないじゃん、と呟くヤンモンは隣で暗い顔をして歩くバイロインに目がいく。この親友は、幼い頃より貧しい生活をしており、父親と過ごしてきていた。そんな中、母親が再婚するらしい。
「そうだ!お前の再婚相手を見つけてさ、殴りに行こうか?」
笑ってそう話しかけてくるヤンモンを鼻で笑いながらバイロインは答える
「ナヨっ子のお前が大勢の部下と戦うのか?」
「部下?」ヤンモンは驚きの声をあげる。
「お前のお母さんは誰と再婚するの?」
「少将閣下」(お偉いさん。金持ちのこと)
まじか、とヤンモンは舌を巻いた。「そんなに偉い肩書き持っている人なんだ」
「あのさ...」
「何」
バイロインは、怒りを含んだ声音で言葉を遮る
これ以上話を聞いたら殺されそうだと、ヤンモンの第六感が警告する。
「い。いやぁ。なんでもないよ」
乾いた笑いを含め、ヤンモンはバイロインから視線を外し、一歩前にと歩き出す。
怖がるヤンモンを後ろから眺め、バイロインはうっすらと笑みを浮かべるのであった。
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【ご報告】
大変申し訳ないのですが、このペースで進めていきますと、全話訳すまでに膨大な時間がかかることに気づいてしまいました!
なので、ドラマになっていない第二作目、その中でも8年後のストーリーというやつから優先的に訳していく方針に変更させてもらうことになりました。
そもそも、8年後のストーリーを訳したあとに、漫画に起こしてみたいと考えて始めたことでしたので、そちらを優先する運びとなりました。
もし、8年後のストーリーを全訳し終えたあとにこのブログが皆様から求められているようでしたら、再度第1章から訳していきたいと考えています!
:naruse