NARUSE'S:BLOG

ハイロイン/上癮:Addictedの原作小説を和訳している男子大学生でした

第26章:深い夜

流れるまま二人家の中に入っていき、足で玄関の扉を閉める。

壁に押し付けられたバイロイン。コンクリートの壁がひんやりと背中に伝わってくるが、自分の胸はそれを上回るほど熱くなっている。

シャツの中に手が入り、鍛え上げられた肉体を愛撫する。

突然、軽快な音楽が家の中に響き渡りバイロインは驚いて身を固くしてしまう。

グーハイが何かのスイッチを押すとその音楽は止まった。その音の発生源はバイロインから渡されたロバのおもちゃで、グーハイはそれを大切そうに持っていた。

「まだ持っていたのか?前はオフィスに置いておくのが恥ずかしいとか言ってたろ」

バイロインはそう言って、意地悪な笑みを浮かべる。

「...今じゃ、これ無しでは生きていけないさ」

「そんなに好きか?」

グーハイはロバを撫でながら、独り言のようにつぶやく。

「使いやすいからな」

「使いやすい?」

何を話しているのかよく分からないという顔をする。

グーハイはどこか意味深な表情をしながらソファーへと歩いていくと、そのまま股を開いて座りそのロバを自分の股間に設置し、スイッチを押す。

ロバは設定されたプログラムの通りに前後左右へと頭を振り始める。

グーハイが言っていた“使いやすい”とは、ロバを卑猥な使い方をするという事だった。

「グーハイ!!お前!そんなことに使っていたのか!?」

当然、自分がプレゼントしたものをよく思わない使い方をされて憤慨する。

「趣味用品としてプレゼントしてくれたんじゃないのか?」

「……お前なぁ!!」

バイロインが拳を震わせて今にも襲いかかってきそうな雰囲気だった為、急いで落ち着かせようと努める。

「落ち着け!落ち着け!冗談だって! 怒るなよ、なぁ。こんな事なんていつもしてないに決まってるだろ?本当は毎晩息子のように抱いて寝てるんだよ!」

興奮冷めやらぬバイロインは、グーハイの制止を振り切ってそのロバを奪うとそのまま頭の毛を毟り取って壊し始める。

「あぁ....!!」

ロバだけに留まらず、今度はグーハイに馬乗りになりその顔を殴打し始める。

今までの負債を帳消しのするかのごとき苛烈さで、その整った顔面を殴り続ける。

その間、一切の反撃をしないでなされるがままバイロインのパンチを受け続けた。

グーハイは分かっていた。バイロインが意味もなく暴力を振るわないという事を。先ほどのロバの件だけでここまで激しくしてこない事を。

だからこそ、グーハイは全てを受け止める。それでバイロインの気が晴れるなら。

暫くしてバイロインが息を切らしながらその行為を止めると、グーハイは黙ってバイロインを強く抱きしめる。

「一緒に風呂に入ろう、な?」

俯いてグーハイから目を逸らしながらも、頭を縦にふるのだった。

 

浴室には二つの花が浮いてあった。

脱衣所でバイロインが上着を脱ぐと、その裸体を見てグーハイは呆けたように呟く

「今のお前の体を見ると、昔初めて一緒に入った日を思い出すな。それにしても、どんだけ軍服が映える肉体をしてるんだよ。....まるでそんな運命だったみたいだな」

グーハイはこの手の話をあまりバイロインの前で話さないようにしているのだが、往々にして自滅することが多い。

「俺が軍服を着るはめになったのは、お前の為なんだけどな!」

明るく話すバイロインにグーハイは笑ってみせるが、内心ではバイロインの事を本当に尊敬していた。

体力だけではなくその精神力も、もはや自分より上回っているだろう。

この八年間も独身を貫き通したのだ、その見た目でそれを行うのは難しいはず。

バイロインはズボンを脱ごうと手に掛けるが、隣で獣のような目つきをしているグーハイを見て少しぞっとする。

本当はちょっと別々で入りたいなんて思ったりもしていたのだが、夫婦は常に一緒にいるべきだとグーハイが駄駄を捏ねるので、断る事が出来なかった。

 バイロインが全ての服を脱ぎ終わり、その身体を露わにするとグーハイは一気に興奮してしまう。自分が想像していたより遥か上の身体つきをしていた為だ。

その身体は完璧だった。

筋肉のラインは綺麗に浮き出ており、上半身は逆三角になっていた。全身に贅肉など一切なく、歳と共に成長した筋肉は八年前よりも大きくなっていた。

特にお尻はそこらの女性、いや。誰よりも魅力的であった。

見ているだけにも関わらず、グーハイのそれは大きく立ち上がる。まだ何もしていないと言うのに、先走る何かが漏れないように気を引き締めないといけない程に興奮していた。

 バイロインも横を見て思わず目を見開く。

目の前にある巨大なものを久しぶりに見て、絶句したのだ。

ーーこの野郎八年間でまた少し成長してないか?何をしたらそんなサイズになるんだよ!

グーハイの骨格は生まれつき大きいので、バイロインがいくらトレーニングを積もうとその体格に勝る事はないのだ。そんな事もあり、内心嫉妬をしてみたりもする。

 

風呂から上がると、バイロインを寝室のベッドの上に座らせてその後ろにグーハイが座る。

テレビを見ているバイロインの髪をドライヤーで後ろから乾かしてやる。暖かい風とグーハイの優しい手つきが心地よい。

「いつも風呂から上がったらちゃんと髪乾かしてるか?」

「いや」バイロインは素直に答える「乾かす前に眠くなるんだ。どうせ翌日には乾いてるし」

「良くないだろ!ちゃんと髪を乾かさないで寝て頭が痒くならないのか?」

ドライヤーが終わって、自分の髪をガシガシと掻き乱す。

「ならないね。風が吹く時は外に出たら乾くしな。あ、でも冬に髪を乾かさないで外に出たらアイスキャンデーみたいにカチカチになるけどな!あはは!」

「何笑ってんだよ」そう言って頰を抓る「これからは俺がいるときは俺が乾かすし、一人の時は自分で乾かせよな」

バイロインは面倒くさそうに「ドライヤーがない!」と言い放つ。

 「後で買ってお前のところに送る」

それから、と話を続ける

「お前の部屋にあるジャンクフード類は全部捨てとけよ!ちゃんとした食事を俺が届けさせるから、それを食べるんだ!...誰かに持って来させるなよな?!」

「今までそれで生活できていたのに、今更なんだよぉ。お前は俺の母親かよ!」

「お前のことを思って言ってんだよ!」

うー。と叱られた犬のように低く唸る

「....どうせ俺がこんなことしなかったら自分で改善なんか絶対しないだろ?」

「.....」

黙ったままのバイロインの首を片手で掴むと、頭を前後に揺さぶる。

「これからは時々、お前の部屋に抜き打ち検査をしに行かないとダメみたいだな!もし俺が禁止したものがあったら、そのパンツを下ろして罰を与えてやるからな!!」

八年間のしこりはだんだんとほつれてきたみたいだった。

バイロインも次第に昔のような態度に戻ってきた。グーハイが話したことを右から左に聞き流す昔の彼に。

 

台所から取ってきたブドウの皮を剥いてバイロインに食べさせる。口元へ運んだそれをジロッと見たが、渋々なされるがままに食べてくれた。

歯磨きをしたばかりだったため、本来の酸味に相まって強く感じる。

バイロインが酸っぱさに顔をすぼめているのを眺めながら、グーハイは笑ってしまう。自分にわざと酸っぱいブドウを食べさせたのだと気付いたバイロインは、グーハイの顔を引き寄せてその酸味を口移しする。

酸味は次第に薄れていき、代わりに甘い味に変わっていく。

二人のキスはゲリラ戦のようだった。次第に激しさを増す二人はベッドへと移動する。

バイロインを見下ろすように上をとったグーハイは、その甘い香りを感じさせる首筋に吸い付く。何度も執拗に首筋に鎖骨にと吸い付いては、バイロインの反応を伺う。

「あッ……」

耳を甘噛みし、そこを舐め、空いた手でバイロインの綺麗で小さな胸にある突起を弄り始める。

全身が敏感になってしまったバイロインが薄っすらと目を開くと、目の前にいる男は欲望の瞳でギラついていた。

バイロインの両脚を持ち上げて自分の腰に回させると、そのまま身体を重ね合わせるようにして密着させる。

グーハイはもうすでに我慢の限界だった。今すぐにでも、このエロい身体に突っ込みたい気持ちが溢れていた。しかし、それを僅かな理性で押し殺す。

自分はすでに大きな過ちを一度犯しているのだ。二度目はない。だからこそ、慎重にならなければいけない事も理解していた。

葛藤するグーハイを蕩けた瞳で見上げるバイロインが不思議がる

「何じっと見てんだよ」

目の前にいる男の身体は八年前から調教してきたもので、喧嘩をした際の奥の手としてバイロインの気持ちいいところを全て把握していた。どこを刺激したらよがってくれるのか、その全てを。

「いや、なんでもないさ」

ーー八年間我慢してきたのだ。八年越しに今、目の前にいるのだ。

グーハイは少し緊張したような顔つきで再度愛撫を始める。

その舌をはわせ、胸から下に...下半身へ、そして自分に背中を向かせる。

引き締まったお尻に顔を埋めては、下準備をしてやる。

バイロインの腰は少し震えながら、自分にとって我慢できない部分を刺激されると抑えきれない喘ぎ声とともに、グーハイに巻きつかせていた脚に強く力を入れてしまう。

グーハイが自分に強く絡みついている太ももに、跡をつけるようにキスをしてニヤニヤと笑ってみせる。

その様子に少しムカッとしたバイロインはグーハイを押し倒す。この八年間で変化があったとしたら、バイロインの力が強くなった事くらいだろうか。

グーハイの息子を手にとって上下に擦りながら、バイロインは妖艶な笑みを浮かべる。

ーーいや、変わったのは力だけじゃないな!?

八年前はこんな事しなかったはずなのに、どこかで練習してきたのかと疑ってしまうほど興奮してしまう。

そしてそれはバイロイン自らの手で、自分の中へと挿入させていく。

「気持ちいだろ?」

そう言ってニヤリと笑う。

抑えきれなくなったグーハイはそのまま腰を上下に動かす。

「お前、この会えなかった数年間...んッ...布団の中ででも練習..してたのか!?」

「ん....そう..だよ」以外にも素直に「誰かのためにやってた」と認めた。

グーハイの興奮度具合は有頂天に達する。

腰の振りは激しさを増し、最初は入り口で弄んでいただけだったが奥深くへと自慢の巨根を突き刺す。

「...グーハイッ!!痛いっ!」

「はッ!この間、うちの警備員がお前を殴った時は痛いだなんて泣き言 言わなかったくせに、今はそんな事言うのかよ!?」

「それとこれとは違う...だろッ!?」

一旦、中に入れたまま動きをやめてバイロインの事を胡座をかいた状態で前から抱きしめ、その分厚い胸に顔を埋める。

自分の胸に顔を埋めたグーハイから不安そうな声色で質問が飛んでくる。

「インズ。正直に言って欲しい。この八年間で誰かと一緒になった事があるか?」

「....ある」

 もしかして、と思っていたが嫌な返事が返ってきてイラっとする。

「誰とだよ?」

思わず追求してしまう。

するとバイロインは少し恥ずかしそうに、でも真剣な表情で答える。

「夢の中で、お前とだよ。」

 

___________________________

 

ひぃいいぃ!!

エロシーンなんて書けないですよ(泣)

 小説書いた事なくて、原作を翻訳していると直接的な表現が一切されていなくて、だから日本語にする時は自分の想像で意訳するしかないんですけど...(汗)

まあ、そこはまた皆さんの想像でカバーしてもらう事にしますね!

 

:naruse

 

202004追記:加筆修正。八年越しの初夜はここですね。バイオレンスカップルです(笑)