第27章:気怠いほどに甘く
グーハイはバイロインを自分の元へと引き寄せ、向かい合わせるようにして太腿の上に座らせた。言葉も無しにその口を優しく塞ぐ。
一度離れては再び優しく、次は狂おしいほどに激しく。全ての愛をぶつけるように何度もその口を塞ぐ。
バイロインは呼吸を整えることができず、ただ息を殺す事しかできない。苦しみよりもグーハイの深い愛情が勝る。
グーハイの心の中にあった不安はこの瞬間に全て払拭された。
バイロインと蜜のようなキスをする度に確信に変わっていく。俺とこいつは本当の意味でやっと一つになれたのだと。
自分のキスを受け止めてくれていたその薄い唇が自分の元を離れると、首筋へと移動する。
バイロインは自分の愛を遺すように逞しく太い首筋に吸いつく。できた印に満足すると、今度は肩に噛み付く。
甘い味がする。
グーハイは、自分の体に何かするバイロインのお尻で弄ぶ。自分のお気に入りな箇所だけに、執拗に触れる。
バイロインがグーハイの左胸の突起を舌で遊んでいる。その行為と連動して自分も声を漏らしてしまう。
グーハイがついお尻を強く掴んでしまい、痛みを感じたバイロインは勢いよく乳首を噛んでしまう。
「あっ。ごめん」
「....このやろう」
お仕置きだ、と呟くと自分の下腹部にこすりつけていたバイロインのそれを握り、根元から先端まで撫で上げて、ゆっくりとこすりだす。
バイロインはゆっくりとした動きに我慢が出来ず、自分から腰を動かしてグーハイに催促する。
「おいおい、お仕置きだって言っただろ?」
バイロインが絶頂に達する前に、その根本を強く握りしめコントロールする。意地悪く、その先端部分の窪みを人差し指で掻いてやる。
「グーハイッ...!!」
堪えきれない快楽を持続的に感じてしまい、グーハイに巻きつけていた両脚に力を入れて締め付け、辞めるように催促する。
バイロインが前に集中しているこの瞬間に、疎かになっていた後ろを弄るとバイロインは全身に衝撃が走って肉棒から液を垂らしてしまった。
「....グーハイ。...。...俺を..お前のものにして欲しい。もっと、欲しいんだ...」
あの堅物であるこの男からやっとこの言葉を引き出せた。
グーハイは準備万端にしていたのでその言葉の通りにしてやる。今までゆっくりと扱いていたそれを次第に加速させた。
グーハイの手技は一流で、バイロインではーー他の誰であろうともだがーー抗えない技術を持っていた。
バイロインが前に意識を集中させると後ろを弄り、後ろを感じ始めると前を扱き。バイロインが一番気持ちよくなる方法でその意識を混濁させていく。
「お前はもう俺のものなんだよ。...昔みたいにしてやるさ」
穴の拡張はしっかりと終わらしていたので、バイロインを少し持ち上げて自分の竿をゆっくりと挿入していく。
「ん……!」
バイロインはこの巨大なモノに堪え切れず、グーハイは純粋に快楽から、二人とも抑えられない悶々とした声を発してしまう。
長年行なっていなかったこの行為を今やっと行うことが出来て、グーハイは自分の気が狂うのではないかと心配になる程興奮していた。
それでも、グーハイは最大の忍耐力を持って苦しんでいるバイロインを気遣い、優しくキスをする。
「痛むか?」
「ちょっと...」
バイロインはグーハイの腕を強く握りしめている。
グーハイはその腕を握る強弱でバイロインの痛みを測り、それに合わせて自分も動いてやる。
バイロインも本当に久しぶりの行為だったので、八年前よりも大きくなっているとしか思えないそれを自分の中に入れるにはきついものを感じた。
幸いにも、軍人となってトレーニングは欠かしていないので股関節周りは柔らかく、怪我はしない身体にはなっていた。
バイロインももちろん苦しいが、グーハイだってそのゆっくりとした動きは別の意味で苦痛だった。
今にもはちきれそうなほど膨張した息子は、血を集めすぎて痛みを感じるほどになっていた。それをバイロインの頬を撫でたりして緩和させる。
ようやくバイロインも腰の動きが少し速くなり、動きも滑らかになった。
待ちきれなくなったグーハイは、バイロインをしっかりと掴むと己の本能のままに腰を激しく動かした。激しすぎる打ち込みに自分の奥までモノが当たり、声にならない声が漏れる。
「ああ、ああ…ああああ!!!」
体位を変えるべく立ち上がり、バイロインの脚を二つ合わせて一本のようにして腹部の方へと折り曲げる。バイロインの身体は確実に柔らかくなっていた。
この柔軟性もグーハイを満足させる要因の一つになっていた。
激しく打ち付けると、グーハイの腰とバイロインのお尻がぶつかり合い、乾いた音が部屋中に響き渡る。
「グーハイ、ちょっ...と!...待てって...!」
自分がおかしくなっていくのを感じながら、それを防ごうとグーハイを手で押さえスピードを鈍らせる。
しかし、虚しくもその抗いはグーハイによって一蹴される。
自分の腹を押さえていたバイロインの手を絡みとると、ベッドに押さえつけてスピードを再度加速させる。バイロインの足先は無意識に痙攣が止まらなくなっていた。
グーハイも自分がここまで狂気的になるとは思っていなかった。だが、もう理性でどうにかなるような精神状況ではなくなっていた。
バイロインが筋肉をつけたことによって締め付け具合が最高になっていたのも、グーハイをおかしくさせた要因の一つだろう。
めちゃくちゃに犯されるその顔は赤く染まり、額からは尋常じゃないほどの汗をかいていた。しかしその瞳は、見た人の意識を奪うほど魅力を感じさせた。
「インズ……インズ…!俺が気持ちよくさせてやるからな」
荒い息をしながら、バイロインの耳元で淫に囁く。
自分も気持ちよくなろうと空いた手で自分のモノを扱こうとするが、それをグーハイに止められる。
「一人で触ってんじゃねぇよ」
そう言ってグーハイが二回も往復しないくらい扱いたタイミングで、バイロインが叫ぶ
「ああ!!...うぅッ!!」
勢いよく出された白濁とした液体がグーハイの掌にビッタリとついた。
暫くそれを見ていたかと思うと、何を考えたのかその精液をバイロインの口元へと擦り付ける。
「何すんだよ!」
顔を背けてグーハイから逃れようとする
「自分のモノなのに嫌いなのか?」
「その味は嫌だ。」
そうやって嫌がるバイロインを見ながらグーハイは笑ってそれが付いた指を自分で咥える。口に含んだそれを強制的にバイロインにも含ませるように深いキスをする。
少し前に射精したばかりだというのに、バイロインのモノは全く衰えてなかった。
今度はバイロインの片脚を自分の肩の方にかけて縦に大きく開かせると、角度をつけて再度ピストンさせる。
乾いた破裂音と、湿ったキスの音が重なって響く。
バイロインのも扱きながら、何分後かにグーハイが急に止まったかと思うと、二人は絶頂に達した声をあげてバイロインは二度目のグーハイは彼の中で果てるのだった。
二人とも汗だくで全身に疲労を感じていたが、気分はとても良かった。
バイロインの額にキスをする。
「気持ちよかったか?」
その言葉に最高の笑みを浮かべて返事をする。軍に勤めるにはあまりにも似合わない笑みを浮かべるばかりに、心がとても苦しくなる。
「転職するか?」
「ようやく少佐まで辿り着いたんだ。でもまだ俺が目指している場所ではない。...なのに辞めるだなんてありえないだろ?」
「なら、お前の好きなようにしろ」バイロインの考えは尊重すべきだ「可愛いお前の言うことだもんな、なんだって許すさ。でもな、前みたいな危険な任務はもう二度とやるなよ!どれだけ心配したと思ってるんだ?!」
「あそこまでの事になるなんて誰も分からなかったはずさ。それに、組織が俺のことを必要としているなら、それを断るなんてことは出来ないんだ」
納得させるようにグーハイに説く。
「軍人として、あらゆる脅威からそれを排除するのが存在意義だろ?それなのに、軍人が危険から逃げたらどうするんだ。」
自分に誇りを持つバイロインを尊敬すると同時にやはり、と心配が勝ってしまう。国民にとっての命綱が軍人であるなら、グーハイにとっての命綱はバイロインだった。
グーハイの物憂いな顔を見て、次は慰めるように言い聞かせる
「そんなに悲観的になるなよ。俺よりも軍歴が長い人で未だにちゃんと五体満足で生活している人だっているんだぞ?」
この手の話は平行線を辿ってしまう。話題を変える方が賢明だった。
「あとどのくらいで休暇が終わるんだ?」
「...三日」
グーハイはため息をつく
「じゃあ、これからは忙しくなるな。最近みたいに頻繁に会えなくなるのか...」
分かってはいたが、その事実に心が締め付けられる。
「俺も訓練や仕事があるからそれは、そうだけど。....で、でも!お前が勝手に俺のところに来てもいいんだぞ?お前がよければ、だけど...さ」
「俺だって残業があるんだ、毎日は行けないさ。それに、俺の会社からお前の元まで車で片道一時間。往復で二時間だ。翌朝が早かったらそんなことも出来ないだろ?」
バイロインは悲しげに枕に顔を埋めて、少し前のような固い話し方に戻る
「なら、しょうがないな」
この男は簡単に心の中が表に出てくる。それを見るのもグーハイの楽しみだった。
案の定、バイロインの肩に手を置くと振り払われた。
グーハイはバイロインの心の中が今、自分で一杯になっている事に満足する。
「お前は本当に可愛いな」
「...うるさい。からかうな」
拗ねた態度をとるバイロインに思わず笑みが零れる
「なら、俺をお前の家に泊めるってのはどうだ?」
「嫌だ」
「本当に?」頬が緩んでしまうのが抑えられない「なら、今日でたくさんお前の事を味合わないとな!」
そう言うとバイロインの首筋に強く噛み付く。ジタバタと抵抗するが、虚しくも意味をなさず、綺麗な歯型がそこには付いていた。
「お前、本当最悪だな」
ブツブツと文句を言っていた口を黙らせる。長いキスの後に、ため息をつきながら折れる事にした。
「分かった。分かったから....泊まっていいから!」
すると、グーハイはバイロインの腰を持ち上げて第二回戦に移ろうとしていたが、バイロインがそれは拒む。
暫くやりとりしていたが、体力が尽きたグーハイは「分かった」と吐き捨てて横になる。
目を瞑って眠りにつこうとしたら、突然ベッドが軋む。
その原因を見ようと目を開けると、隣にはまだ元気な様子で座るバイロインがいた。
「今度は俺が攻める番でいいよな?!」
そう言ってグーハイの腰を持ち上げようとする。
「は、はぁ?.....お前、まだやる気か?!」
八年前までのバイロインなら、もうすでに疲れ切って寝ているはずだった。
「何言ってんだよ?まだ出来るに決まってるだろ?」
グーハイの腰をバシバシと叩く
「ほら、起きろよ。俺にもやらせろって」
グーハイはわざとらしく虚弱なポーズをとる。
「もうだめだー。お前の旦那は昔みたいな体力がもうないんだよ。寝かせてくれー」
バイロインはワーワーと叫んで、グーハイのお腹をパシパシと叩く。
「お前ばっかり卑怯だぞ!おい!起きろって!!」
「…....」
何やかんやあったが、結局はバイロインが諦めてお互い床についた。
深夜、用を足しに目が覚めてトイレから戻ってくると、ぐっすりと眠る姿があった。
グーハイは幸せそうにバイロインの顔をそばで眺める。
「寝てる時のお前は二十六になっても、十八の時も一緒何だよな。」
ーー俺はきっと、一生この男と人生を共にしなければ駄目になってしまうんだろうな
それでもいいと満足そうに頷く彼を見る人は、この場には誰もいなかった。
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ベッドシーンは通常の翻訳より倍疲れます(笑)
ハイパー濡れシーンとはここのこと。
:naruse