NARUSE'S:BLOG

ハイロイン/上癮:Addictedの原作小説を和訳している男子大学生でした

2020-01-01から1年間の記事一覧

第144章:発情した狼

「じゃあまだ何も食ってないのか?」 そう言いながらグーハイはトンテンのお腹を触る。 「お腹は空かないのか?」 しかしトンテンは首を横に振る。 「ううん。おじいちゃんとおばあちゃんの部屋で食べたんだ。美味しいものすごくいっぱい食べたよ。お魚とお…

第143章:嘘はそう長く続かないのだ

週末は元々、二人の家で過ごす予定だったがバイロインが実家に用があるということでグーハイは家に一人で残ることになった。 金曜の午後、学校が終わるとバイロインはウキウキしながらカバンを持って家に帰ろうとする。 週末に実家でゆっくりと過ごせるとい…

第48章:苦しめるモノ

グーヤンは事務室に一日中閉じ込められていた。しかし、この場は事務室というにはあまりにも閉鎖的で殺風景である。むしろ、取調室と言った方が正しく感じられた。 閉じ込められてから二人の医者が来たが、怪我の様子を少し調べられただけで、特別な処置など…

第142章:駄々っ子バイロイン

翌日の朝、四時半にツォおばさんが自分のお店に出かける。 バイロインは一晩中ぐっすり眠ることができていなかった。玄関のドアが音を立てて、バイロインはすぐ目を覚ました。両足が布団からはみ出ていて布団の中も全然暖かくないし、どうせ起きても寒さは変…

第141章:後遺症

バイロインはここ数日間、グーハイの様子がおかしいことに気づく。 この違和感の原因は普段の生活の至るところから来ていた。 以前まではグーハイはネットで動画を見るようなことはなく、いつもゲームをしてから寝ていた。だが今では頻繁に徹夜をしてまで動…

第47章:粗悪品

「何だ。そこに突っ立ってないで、お前も座ったらどうだ?」 話に来たのだと言い、リョウウンは勝手に椅子に座る。 バイロインも椅子を持ってトイレの前に陣取る。馬鹿な誰かが、勢いに任せて飛び出してくるのを防ぐ為だ。 「何でそんなところに座るんだ?」…

第140章:厚い面の皮

二人は三日にわたる禁欲生活を余儀なくされていた。 その甲斐もあって、バイロインの”きゅうり”とグーハイの”菊の花”は正常に使えるまでに回復していた。 そして回復と同時に冬休みも終わりを迎え、楽しむための日々から、また朝早くから夜遅くまで勉強漬け…

第139章:金のなる××

グーウェイティンがグーハイに近寄りながらバイロインのことを見る。バイロインが持っている茶碗を見て、なんと彼は珍しいことに口元の笑みを浮かべた。 どうやら先ほどの美しい”兄弟愛”の場面を目撃してとても喜んでいるようだ。 バイロインがおかゆの入っ…

第46章:夜更けにきた検査

「乾杯!!」 暖かい部屋とは違い、外は風が強く寒さで苦しむほどの気温だった。 二人はバイロインの部屋でお酒を並べ、晩ご飯を楽しんでいる。 ドアや窓はもちろん、冷気が入ってこないようにカーテンもしっかりと閉めていた。 鍋は湯気が大量に立ち込め、…

第138章:突然の訪問

家の外でリーシュオとチョウスーフーが待っている。 ”一体どっちがドアを開けに行くのか?” バイロインはグーハイのことを見る。グーハイはバイロインのことを見る。しかし二人は全く動こうとしない。 バイロインは患部に薬を塗り終えたばかりでまだズボンす…

第137章:自分が蒔いた種

バイロインは腹ばいになった状態で柔らかくなった”ちびグーハイ”に手を伸ばして、握りながらグーハイの首筋にキスをする。 するとグーハイはすぐさま興奮を露わにする。グーハイはバイロインの弾力のある柔らかいお尻に片足を乗せて、足の裏でしばらく摩る。…

第136章:仕返しだ!

冬休みが間もなく終わろうとしている。そして二人はずっと家に籠っていた。 膨大な量の冬休みの課題に追われており、回答に悩んだ挙句、最終的に答えだけを記入する。しかし先生は必ず解く過程の式も見ると言っていた。 二人は分担して半分ずつ解いていた。…

第45章:一触即発

グーハイは執務室でバイロインからの返事を待っていた。 しかし、いくら待っても彼から連絡がこない。 ーーマジで怒らせたか...? 手元に残っていた写真を見返すと、いくらグーハイでもやり過ぎたかと心配してしまう。ましてや相手はあのバイロインだ。怒ら…

第135章:部隊見学

バイロインとグーハイは基地の寮から出て、基地内にある軍用兵器の倉庫に来ていた。そこには重戦車、大型大砲、対空ミサイル、飛行戦闘機など最新鋭の兵器があり、グーハイはバイロインにこれらの性能や特徴を詳しく説明する。 そんなことをしているとすぐ昼…

第44章:二人の意地

バイロインとグーハイの喧嘩は現在三日目。その間、お互いに連絡は一切とっていなかった。 今回の喧嘩の勝敗は、グーハイによって掴まれたバイロインの胃袋が先に根を上げるか、グーハイのバイロインに会いたいという衝動が抑えられなくなるかに掛かっていた…

第134章:浅い眠りの中で

その日の深夜のことだった。バイロインの寝つきが悪いようで、ずっと寝返りばかり打っている。何度も大きな物音を立てていたため、グーハイは起こされてしまった。 グーハイがバイロインに声をかけるも全く起きる様子はない。とりあえず下にずり落ちてしまっ…

第43章:あの時

「専門家の皆様、この度は当会議に参加していただきありがとうございます。」 グーハイの挨拶から各関係者会議の幕が開いた。 「今回のラジオナビゲーションプロジェクト実施方案交流会に参加するにあたりまして、当社がすべての協力企業を代表して進行を進…

第133章:安らぎ

二人は元宵を食べた後、散らかり放題の部屋をある程度片づけてからお風呂に入った。そしてベッドに入る頃には十二時を回っていた。 「もう一年が終わるのか…マジで早いな」 グーハイはしみじみとつぶやいた。 バイロインはグーハイの隣で腹ばいになっている…

第42章:想像とは違って

夜、グーハイは小唄を口ずさみながら、愛する嫁のために自宅で夜食を用意していた。 背後からドアを開く音が聞こえたので玄関を覗いてみてると、今から夜食を届けに行こうとしていた恋人が立っていたことに驚く。 「どうやって病院から抜け出してきたんだ?…

第132章:柔らかくて甘い元宵

半月近く静まり返っていた北京の街もようやく賑わいを取り戻した。 バイロインとヤンモンは朝早くから北京城の前門に向かった。前門通りは伝統的で鮮やかなイルミネーションで飾られており、まるで光の海のような美しさである。周りを見回すと演劇、マジック…

第41章:復讐劇

シュウ・リョウウンは訓練の監督を他人に任せ、軍事会議にて兵器の強化を図るよう主張していた。 協議の結果、科学班のプロジェクトに重点が置かれ、再調整を行う事が決定した。現在、バイロインは入院しているため、いつもは彼が行なっている企業視察を代わ…

第131章:冷酷に堂々と

ユエンは机に座って留学の書類を見ているバイロインを黙ってずっと見ている。やっと彼が留学の提案を受け入れてくれると思い、ここ数日間ずっと悩みを浮かべていた顔が笑顔に変わる。 「ねぇ、ロイン…お母さんは全部あなたのことを思ってやっているのよ。グ…

第130章:答え合わせ

バイロインが不在だった間、バイ家は激動の五日間を送っていた。 ユエンはバイロインの留学の準備を既に全て済ませていた。留学先の学校とも連絡を取っていて計画は着実に進行していた。バイハンチーとも会い、自分の考えを話していた。バイハンチー自身は良…

第40章:リュウチョウの惨劇

「何で来たんだ?」 このままこの二人と会話を続けさせていたら、喧嘩に発展してしまう。 それを恐れたバイロインは、何かを言いかけたリュウチョウの言葉を遮った。 「気になったからです....俺、あなたの事が心配で」 その想いに感謝はするが、今はグーハ…

第129章:向き合う時が来たのだ

それから三日間、グーハイは宣言通り一切食事をとっていない。もっと正確に言うと、部屋から離れてすらいない。バイロインが栄養剤の点滴をする時、グーハイも隣で栄養剤を点滴していた。医者は見かねて思わず文句をこぼす。 「君は一体どんだけ怠け者なんだ…

第128章:お前だけに辛い思いはさせない

しばらくしてから医者が駆けつけてきた。彼は海外に何年も留学したことのある外科医だった。医師としての経験が豊富だったが、バイロインのような状態の患者はさすがに見たことがなかった。濃い眉に皺を寄せ、血走ったような表情をしている。 バイロインの傷…

第127章:徹底的に思い知らせてやる

一月二日から五日まで、ユエンは親戚や友人を訪ねるために忙しくしており、バイロインの留学の件を後回しにしていた。 一月六日にやっと暇ができたので、帰国してきたばかりの元クラスメイトと一緒に食事をした。そのクラスメイトから海外で学習することの素…

第126章:裏で糸を引く者

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー この章を読むにあたって ※バイロインとバイハンチーの会話に出てくる人物 「モンジェンチー」について モンジェンチーはツォおばさんの元夫です。ドラマだと全カットされているんですが、時系列でいうと、ドラマ13…

第39章:溢れた言葉

『ーーあの晩、本当は何をされていたんだ?』 グーハイの真剣な眼差しに、思わず心が締め付けられる。 「...本当に知りたいのか?」 「早く言えよ!」 「話しても...怒らないでくれるか?」 正直、グーハイはバイロインの身に何があったのか、薄々気づいてい…

第125章:少しずつ愛が分かってきて

最近ずっとバイ家は正月の準備に追われ、全く休む暇がない状態が続いている。今まではバイハンチーにとって正月という行事は簡単に済ませても問題がなかったが、今は状況が違う。家族が二人も増えて、家は活気づいていた。 ツォおばさんは早めにお店を閉めて…